病的優良査定女子。
それはカラダに悪いわ。
そんなもの食べるとダメよ
体にいいものだけ取りましょう
正しいもの以外はなくしましょう
ストレスのない世界にしていくの
ダメな人とはお付き合いしません
素晴らしいものだけを選んで生きるのよ
幸せに生きるには正しいことをしましょう
この世にはダメなものが多すぎるわ
あー、今日もイライラする。
Contents
正義と理性で生きてます
この世界はダメなもので溢れている。
あの添加物だらけの食品も
バカみたいな芸能人も
不正だらけの政治家も
嘘だらけの世の中も
おバカなあの人たちも
そうやって、正義と理性のないものには、いつか罰がくだって消えていくはずだから、私は今日も優良女として生きていきます。
だって、そう両親が教えてくれたの。
私の両親は厳格で素晴らしい常識人なの。
いつも言われていたことは、世の中は悪いものだらけで、すぐに騙すような悪い人、体を壊す悪いものばかりだから気をつけなさいって。
「あなたは正しく生きなさい」
だから、まずは信用できるか値付けする。
迷惑ではないか、悪影響はないか、周りの評価は。
そうやって、私の物差しで査定していくの。
幸せに生きるためにストレスの原因を消していくの
あー今日も世の中はおバカさんばかりで
イライラが消えないわ。
世界は敵だらけ
なんでこんなに世界はダメなものがあるんだろう。
私はただただストレスなく、周りの守るべきもののために今の世界を良くしたいだけなのに、なぜダメなものはなくならないのだろう。
もっとジャッジしなくちゃいけない。
もっと正していかなきゃいけない。
もっと戦っていかないといけない。
もっと消去していかないといけない。
こんな世界なんてあっちゃダメなんだ。
正しいものを選んで、正しいものに囲まれて、正しい人と付き合って、正しい仕事をして、正しい食べ物を食べて、正しいものを飲んで、正しい自分で生きていかなきゃストレスはなくならないの。
正しく生きれる世界を私も作っていくの。
あーもうまたイライラする。
正しいか正しくないか
それは「正しい」「正しくない」と考えながら、自分の本心に蓋をしながら生きていく。
食べたいものより食べるべきもの。
やりたいことよりやるべきこと。
会いたい人より会うべき人。
したい仕事よりやるべき仕事。
そうやって自分の欲求と本能と感覚の首を締めていくことで、「私は間違っていない」という偽りの安心感を手に入れる。
レールから外れることを恐れて、自分の思い込みから外れるものを消去して、過去に誰かに与えられた憲法で周りを罰しながら生きていく。
その生き方はいつか「自分らしさ」「ありのまま」「自分の夢」を絶命させるまで追い込む。
さらに、その高い志と、強い口調に従うように、自分の意思を持たない “顔なし” たちは彼女の熱狂的な支持者になっていく。
理想ではない世界を断罪していく強さに憧れる。
その彼女の思想をコピペして、投稿して、支持者を集め、自分の中の違和感さえもを切り刻んで、正義の名の下に理性を押し付ける。
今日も “病的優良査定女子” が作られる。
やりたいか やりたくないか
彼女がイライラしていた理由だった「世界がダメだから」というのは本当なんだろうか。
本当は「ダメな世界を見つけてしまう自分」「ダメな世界しか見えない事実」に悲しくてイライラしていたのではないだろうか。
ただ幸せな世界を望んでいるだけなんじゃないか。
でも、そのアプローチを間違えているだけ。
ダメなものってのは、探せばたくさんあるものだ。
でも、ある人たちから見れば世界は幸せで溢れていて、男性と共に成長していく”あげまん”のように、世界と一緒に幸せを作っていける。
彼らには毎日が幸せで不思議と笑顔になっている。
でも、それは彼らが優遇されているからではない。
「世界は自分で幸せにできる」と知っているから。
正しいか正しくないかでなく、やりたいかやりたくないかで素直に世界を選んで生きているから、世界や他人をジャッジすることがないだけなんだ。
自分を殺して生きていると、世界を大嫌いになり
自分を愛して生きていると、世界も大好きになる。
世界の見え方は、自分の生き方に比例する。
もっと自分に優しく生きていいんだよ。
そうやって、その肩に背負った大きな「偽りの使命感」を一個づつ降ろしていってほしい。
もうなにも査定しなくていい。
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